「火鈴様」とお正月の風景
 私は生粋の松島っ子。瑞巌寺参道のすぐ近くで生まれ育ちました。子どもの頃の思い出の多くは、この参道の杉林と共に刻まれています。両サイドに天高く伸びる杉林の片側は、東日本大震災による塩害の影響で現在は伐採された状態となってしまいましたが、今もなお凛とした雰囲気を保っているのは松島の歴史の深さがあるからこそ。ぜひ心静かに歩いてほしい場所です。

「火鈴様」とお正月の風景


「火鈴様」とお正月の風景


「火鈴様」とお正月の風景


 今年もあっという間に年の瀬を迎えてしまいました。大晦日の夜といえば除夜の鐘。各寺院では人間の煩悩の数とされる108の鐘がつかれますが、瑞巌寺では大晦日の夜9時から元日朝の四時頃まで何度も鐘がつかれ続けます。これは寺に古くから伝承される火伏せの修法「火鈴様」という行事が夜通し行われるためです。火鈴様は、僧侶が大きな鈴(火鈴)を振り鳴らしお経を唱えながら松島海岸地区を巡り歩くもので、その間ずっと除夜の鐘が鳴り続くのです。火鈴様が行われている時間は開門されており、除夜の鐘をつくこともできますし、初詣の参拝もできます。
 初詣の後は初日の出。松島湾内に連なって見える島々の向こうから上ってくる初日の出を、白い息を吐きながら眺めるのも大好きです。元旦に限らず松島の朝日は毎日表情が違うので、日によってはあまりの綺麗さに感動の涙が出ちゃうこともあるんです。歳のせいかな? 自然の造形美をゆっくり堪能できる贅沢な時間を松島で過ごしませんか。

「火鈴様」とお正月の風景



   
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