農の裏側
農の裏側


 水も空気も美味しい田舎で暮らしたい。農業をして、土に触れていたい。
 まだまだ続く帰農ブーム。でも「やっていける」かどうかはまた別の話。
 多くのメディアが発信する世の中の注目は、グルメだったり、ヘルシーだったり、有機だとか無農薬だとか、安心安全だとか。偏り過ぎたキレイな部分ばかり。農業には、辛く、汚く、地味な作業の方がはるかに多い。そして離農者も多い。作ってくれる人がいなくなってしまったら、健康も安心安全もへったくれもない。『食と農』に対する無関心と鈍感力は、ますます自給率低下に拍車をかけてしまうだろう。



農の裏側


農の裏側


 農業の光と影。伝えるため、わたしたちができること。
 禾食やは全ての市場出荷をやめた。市場流通は作ったものを換金できる安心感があるが、消費者との信頼関係を築くことはできない。直販は売り切れる保障も換金できる保障もない。営業も会計管理も自分で。でも農家が社会的地位を手に入れるには、勇気をもってリスクを背負い、直販で勝負するしかないと思う。消費者に近づけば思いを伝えることもできる。光ばかりを照らす情報に惑わされず、生の声で判断してもらうためにも。

農の裏側


禾食やの旅はまだまだ途中だ。でも10年後、20年後「やっぱり国産のものが食べたいね」なんて、無責任に言われないような未来をつくる一助になりたい。

禾食や/齋藤貴浩・夕香理
 

イタリア伝統野菜栽培と米づくりのかたわら、キッシュやタルトなどイタリア総菜を販売している。
住所/宮城県遠田郡美里町北浦字道祖神16-2
電話/0229-34-3865
https://www.facebook.com/kajikiya


   
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