ゆっくり元気になるということ その1
ゆっくり元気になるということ その1


さとのわ 鈴木美樹

ゆっくり元気になるということ その1


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ゆっくり元気になるということ その1


 鳴子温泉郷は古くからの湯治場。「湯治」というのは温泉に浸かりながらひととき休んで充電すること。温泉で体をあたため、血の巡りを良くすることで免疫力がアップ、ヒトが本来もっている自然治癒力も回復して、病気に罹りにくくなるというのが最大のポイントです。これに加え、かつては数週間滞在する時間のなかで、湯治客同士が会話し、笑い、歌い、踊り、さまざまにコミュニケーションしながらリラックスすることで心まで元気になったのだそう。

ゆっくり元気になるということ その1


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 昭和五十年代頃までは、近郊や沿岸部から鳴子温泉郷へたくさんの湯治客が農作業や漁の節目に湯治に訪れていました。正月湯治に始まり寒湯治、花湯治、田植え湯治などなど実に年間十三回程度もあったそう!月に一回はロングバケーションしていたんですね。

ゆっくり元気になるということ その1


ゆっくり元気になるということ その1


 今は昔と全く違うライフスタイルになりました。毎日大忙しであっという間に一日が終わってしまいます。寝込んでいられないから、不調になるとつい即効性のある薬に頼ってしまったり。でもそんな毎日だからこそほんの少しリラックスする時間をつくることがとても大事だな、とこちらに来てからつくづく感じます。悩みがあっても焦って解決を急がない。ゆっくりお風呂に入って疲れをほどいてあげる。心と体の芯をあたためる時間は、即効性はないけれどゆっくり元気にしてくれます。「湯治」または「湯治場的な過ごし方」。忙しい今の時代だからこそ見直したい古き良き慣習だと私は思うのです。

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鈴木美樹  
鳴子温泉郷「さとのわ」主宰。湯治文化に魅せられ、2010年に東京から宮城県鳴子温泉郷へ移住。「湯治」を現代の都市生活者に向けて再発信する「温泉マルシェ」のほか、里山の素朴であたたかな料理を地元のお母さんたちに教わる「里山ごはん食べに行こう」、森林インストラクターと歩く「五感を呼び覚ます森歩き」など、心と体を癒すプログラムを企画、運営。 http://hibionon.com
 
山ふところの宿 みやま
鳴子の里山に包まれるように立つ湯治宿。キッチン付きの昔ながらの湯治部屋のほか、開放的なラウンジのある金山杉造りの別館も人気。6月下旬からは宿の近くに蛍が舞います。
一名様宿泊料金/4,500円(本館素泊まり)〜16,000円(別館2食付)。
住所/宮城県大崎市鳴子温泉要害91
電話/0229-84-7641 http://www.yado-miyama.com


   
Film Arrange Egg

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