鎌倉時代から続く 一子相伝の松島名菓
鎌倉時代から続く 一子相伝の松島名菓


 松島の伝統銘菓「松島こうれん」は、白くて、薄くて、ほんのり甘いおせんべい。原料は宮城県産ササニシキの粉と砂糖、塩、水だけ。その由来は鎌倉時代に遡ります。
 昔むかし、松島の商人・蜂谷掃部(はちやかもん)が出羽象潟(現在の秋田県にかほ市象潟町)から同じく旅に来ていた商人と旅先で意気投合。別れを惜しんだ二人は旅の終わりにお互いの子どもたちを結婚させる約束をします。その後、約束通りはるばる象潟から嫁入りのためにやってきた商人の娘、谷(タニ)が松島に到着しましたが、夫になるはずの掃部の息子、小太郎はすでに病で亡くなっていたのです。それでも谷は象潟に戻ることなく松島で小太郎の両親に孝行を尽くし、二人がなくなった後は尼となり名前を紅蓮と改めて余生を過ごしました。

鎌倉時代から続く 一子相伝の松島名菓


鎌倉時代から続く 一子相伝の松島名菓


鎌倉時代から続く 一子相伝の松島名菓


 紅蓮尼は、自身の庵に訪れた人達がお供えした米を粉にしておせんべいを焼き、村の人々に施したそうです。これが「松島こうれん」の由来で、その伝統は一子相伝で守り継がれて現在二十三代目。店主の星稔さんを訪ねました。
 生地を火で炙りはじめると、すぐにふわっと膨れるこうれんを手早く四角に形成して出来上がります。一枚一枚こうれんを焼く手作業は全工程の仕上げの部分。大切なのはその仕込みです。米粉から作られた生地はすぐに焼かず、その日の気候や湿度で微妙に調整しながらじっくり寝かせる工程が欠かせないとのこと。丁寧な仕込みがあるからこそ仕上がりが良いものになる。紅蓮尼の想いを受け継ぎ、精魂込めて作られている豊かさが味わいとなり伝わってきます。 なんでも便利になって、なんでも簡単に手に入れる事のできる世の中で、丁寧でシンプルだからこそ感じられる豊かさを教わりました。

鎌倉時代から続く 一子相伝の松島名菓


鎌倉時代から続く 一子相伝の松島名菓


紅蓮屋心月庵~こうれんや しんげつあん~
〒981-0213 宮城県宮城郡松島町松島字町内82
TEL/022-354-2605 FAX/022-354-2696
http://www.matsushimakouren.com/


   
Film Arrange Egg

ページトップへ