今年もまた米作りが始まる。メディアがクローズアップするのはいつも田植えや稲刈りの華やかな部分ばかり。しかし米作りの大部分は地味な作業の繰り返しが多いのである。
春になってまずする事は、圃場、農道、水路の掃除。道路沿いが多い我が家の田んぼには、毎年当たり前のように大量のゴミが捨てられている。農村ほど非常識な人間が多いという現実。これも農業が衰退していく原因かな。こういう人たちは国産の米を食べなければいいのに…。
米余り、補助金の有無など経済状況に左右される米価。毎年期待はしていないものの、米作りに向かうモチベーションを維持することは容易ではない。そんな中、ウチのような小さな農家にも有難いことに何件かのお客様がいらっしゃる。一年分の米を契約し、米価が下がろうが、出来が悪かろうが、毎年変わらぬ値段でお付き合いして頂き、更に色を付けて下さる方もいたりして。真夏の過酷な草刈りも、辛い掘払いも、その人たちの顔を思い浮かべれば乗り越えることが出来るのだ。
禾食や:齋藤貴浩・夕香理
イタリア伝統野菜栽培と米づくりのかたわら、キッシュやタルトなどイタリア総菜を販売している。
住所:宮城県遠田郡美里町北浦字道祖神16-2 電話:0229-34-3865
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