江戸末期より始まったと言われる「こけし」。山々に囲まれた鳴子温泉という地の風土・文化の中で、生活をする工人により作り続けられている「鳴子こけし」。その時代、その時代、その工人、その工人によって先代の技術・想いを継承しながらも自分らしさを追求している「櫻井家のこけし」
櫻井家のこけしの特徴である「岩蔵型」。このこけしの元を作った「大沼岩蔵」は父、祖父が最も尊敬するこけし工人。こけしへの探究から作り出される岩蔵のこけしは昔も、そして何十年経つ今も多くの人を魅了し、受け継ぐ工人をも魅了する。
今のように「伝統こけし」というモノが存在しない、先代の型を継承するという事がなかった時代につくられた先代達のこけしからも、大沼岩蔵を感じることが出来る。
こけし作りについて大沼岩蔵が語っている。
「これで覚え上がったということはない。一代一生の稽古だ」と。
彼の稽古は後世に受け継がれ今もこれからも続いて行くのだろう。