鳴子のこけし
「みちのくは遥かなれなれども夢にまで心の山々心のこけし」と歌い、こよなくこけしを愛し、こけしの伝統美を広く世に広めた研究家・深沢要は「こけしの収集は鳴子に始まり、鳴子に終わる」と語っている。
 江戸末期より伝わると言われる、鳴子こけし。子供の玩具として作られたことが始まりとされる。温泉場のお土産として発展、文化人に評価され、蒐集する人々が現われる。こけしは産地により特徴があり系統が存在する。鳴子こけしにおいては其々の家にて形状・描彩等の特徴を型として継承している。

鳴子のこけし


鳴子のこけし


鳴子のこけし


 鳴子こけしは、親から子へ、師から弟子へ、徒弟制度の中で感覚的に伝えられる。
先代、師のこけしをただただ作るものではなく、古いものを古い技術で作り続けるのではなく、先代達の想い、精神、技術を受け継ぎながら、「自分らしさ」を表現していく。
 あどけなく、無心に微笑んでいるこけし。
そのシンプルなたたずまい。こけしには、雪深い東北のきびしい風土にさらされた、ひとの心の悲しみ喜びが静かに息づいているようだ。

鳴子のこけし


櫻井尚道:1988年生まれ。 宮城県・鳴子「桜井こけし」を後継すべく一昨年、東京からUターン。 名工、父・昭寛氏のもとで修業中。鳴子のこけし文化の伝達、発信に奮闘している。 http://www.sakuraikokeshiten.com


   
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