さとのわの定番プログラム「里山ごはん食べに行こう」では毎年十二月におせちをつくります。干し柿を合わせた紅白なますに寒椿に見立てた赤ダイコンと菊の花の酢のもの、胡桃を合わせたゴマメや筑前煮、ひきな(大根の千切り)の雑煮。ほとんどの材料は自家製で肉や生ものを使わない〝里山おせち料理〟です。一見面倒なおせちづくりだけれど家族の顔を浮かべながら少しずつ包丁を進める時間に、もうすでに新年のあれこれが巡って…。鳴子に移り住む前もおせちは手づくりしていたけれどローストビーフや数の子、生ものなんかが詰まったお重だったなぁ。ところ変わればこんなに嗜好も変わるものなのか(笑)
外玄関には地元の方が綯(な)った注連縄や門松。新年、家々に幸せをもたらしてくださるという年神様に見立てて祀るのです。内玄関には厄を除け、福を呼ぶ「えんじゅ」という木の飾りもの。向い合せで配置された龍と虎、だるまや獅子頭(ししがしら)。どれも難を遠ざけ福を招き入れるそう。新年の餅は「苦(く)」を避けるということから九の付かない日を選んでつくのが決まり事。ついた餅を小さく丸めてミズキの枝に花のようにあしらう餅花で五穀豊穣を祈願。年末に飾って二月卯の日に降ろすのが習わしなのだとか。単に願うだけではなく、様々の事を重ねて幸せを「創る」という暮らし方はたくましい。今の時代にこそこういう強さが必要なのでは?と感じています。
2015年、皆様にとって新年が福に恵まれ健やかでありますよう、雪の里山よりお祈り申上げます。