忙しくも楽しい!里山の春
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さとのわ 鈴木美樹

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忙しくも楽しい!里山の春


約4ヵ月の間、雪に覆われる鳴子温泉郷。春が始まると「スイッチ・オン!」とばかりにいろいろなものがいっぺんに動き始めます。
そもそもの始まりは立春。一番冷えこみ、しーんと静まりかえる2月は屋根から落ちる雪のドドドーッという轟音だけが時折鳴り響きますが、立春のあたりから鳥の鳴き声が聞こえ始めます。甲高い声はつぐみでしょうか。3月の啓蟄の頃には小さな虫を見つけます。

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鳴子に来た当初、「立春過ぎると鳥が鳴くよ」と地元の方に教わりました。季節の変化のわかりにくい東京から移り住んだ私には実感のわかない話でしたが、果たして2月、本当に鳥の鳴き声を聞いた時は「えっ、ウソ!?」、虫を見つけた時は「マジ??」。二十四節気はカレンダー上のただの記号じゃないんだと感動しました。

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スイッチ・オン!されると植物も動き始めます。最初に顔を出すのはフクジュソウ、フキノトウ。農家レストラン「土風里」の高橋直子さんに教わりながら、摘んだフキノトウを砂糖や味噌と丁寧に練り上げて「ばっけ味噌」作り。豆腐に塗って焼いたアツアツの田楽は最高!マヨネーズと混ぜて青菜のおひたしに和える、なんてアイディアも。よもぎの新葉をもち粉と混ぜ、餡子を包んだよもぎ団子も教わりました。里山の食材を知りつくした頼りになる師匠です。

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4月下旬になると里山全体がフラワーガーデン。カタクリ、梅、菜の花、桜、雪柳、一輪草、水芭蕉...「早く写真撮らなきゃ」と思っているうちにどんどん景色が変わってしまい追いつけないほどです。
山と街の間、里山では人びとが古くから自然と共生してきました。時に厳しい自然と向きあうその暮しには工夫や知恵がいっぱい。これから少しずつ紹介させていただきます。
はじまりの春、里山では様々な「命」が巡り始めました。

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鈴木美樹
鳴子温泉郷「さとのわ」主宰。湯治文化に魅せられ、2010年に東京から宮城県鳴子温泉郷へ移住。「湯治」を現代の都市生活者に向けて再発信する「温泉マルシェ」のほか、里 山の素朴であたたかな料理を地元のお母さんたちに教わる「里山ごはん食べに行こう」、 森林インストラクターと歩く「五感を呼び覚ます森歩き」など、心と体を癒すプログラム を企画、運営。http://hibionon.com


古民家風農家レストラン土風里(どっぷり)
宮城県大崎市鳴子温泉字蓬田124
電話/0229-84-6641【要予約】
営業/午前11時〜午後2時(水・木曜日定休)
どぶろく(一合)350円


   
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